腐蝕銅版画 制作工程

⑧雁皮刷りと水張り


雁皮刷りは、版にインクを詰め終わってからまた一仕事です。

事前にカットしておいた雁皮と、水のり(オススメはヤマトのり)を水に溶いたものと、刷毛を用意してください。

水のりの濃度はだいたいです。スイマセン…(;´へ`A)

 

1、まずバットに浅く水を張ります。

2、版を沈めます。水底に置くと版を取りにくくなるので、版の下に手を添えておいてください。

3、雁皮を水面に置きます。

4、版で雁皮をすくいとります。一辺をあわせて版と雁皮を押さえ、押さえた辺から水上にあがるようにします。

注:雁皮に水が浸みて沈んでくると、扱いが極端に厄介になります注意なので手早くビックリマーク

小柳優衣の制作活動記:Yworks

 

5、滴る水を切ります。

6、新聞紙、キッチンペーパー等で、版と雁皮の余計な水分をとります。

7、水のりを溶いた水を、刷毛でぬります。雁皮に浸みれば良いので、つけすぎずに。

 


小柳優衣の制作活動記:Yworks

 

そして意外と大切なのが、版の裏に残っている水を拭いておくこと。

プレス機を通すと 裏に残っていた僅かな水が押し出されて、

刷った紙のまわりにシミができることがあるからです。

同じように、刷毛で塗ったときにプレートマークにのってしまった水分も きちんと拭いておきます。

 

これで雁皮刷りの準備OKですニコニコ


ちなみに水のりに関して…

「ヤマトのり」とそっくりな「フエキのり」という商品があります。

こちらは水に溶けにくいので のりが水中でダマになり雁皮刷りには使いにくいようですショック!

というかダマダマしていて水溶液には全く使えません。

すっごい似てるから気を付けてください叫び

 

 

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インク詰め、拭きとり、雁皮の処理が終わったら、いよいよプレスです音譜

 

 

ラシャ・フェルトをめくって、版を置きます。

その上に、新聞紙でよく水気を吸いとったハーネミューレをのせます。

 


小柳優衣の制作活動記:Yworks

 

そしてラシャ・フェルトをシワなくきれいにかぶせたら、

一定の速度でプレス機のハンドルをまわし、ベッドプレートを動かします。

 

銅のところにくると、クンッと手ごたえを感じるのが◎ですビックリマーク

 

2回目の手ごたえを感じたら 銅が通過し終わったということなので、そこからハーネミューレの余白までハンドルをまわします。

ここまで一定の速度を保ってください。

 

そっとラシャ・フェルトをめくって、

さらにそ~…っと、ハーネミューレをめくります…………

 

小柳優衣の制作活動記:Yworks

 


小柳優衣の制作活動記:Yworks

 


はい、刷り上がりました(*´▽`*)

が!ここで終わりではありません、あと一手間!

 

 

水張りをします。

 

柔軟性を持たせるために調湿した版画用紙は、乾燥とともに歪に縮んでしまいます。

乾燥の歪みを防いでピンと張った仕上がりにするために、水張りテープでベニヤ板に固定するのです。

 

版画用紙の水分が乾燥するのは一日程で十分、続いてインクの酸化重合が完了するまで、この状態で保管します。

完全に固着するのにかかる時間は、紙の上のインクの厚み=版に詰まるインクの量=版の彫りの深さと、あとは気温などの環境によります。

 

水彩で手彩色をするのであれば、この水張りされた状態で手を加え、完全に乾燥させます。

 

その後、充分な余白をとって(額が小さい場合は額に収まるサイズに)定規をあててカットします。

エディション、サインを書いたら銅版画作品の完成です!

 

ニードル描画のみの試し刷り(黒インク/レオバルギー)、インクを詰めた状態の銅原版、アクアチント処理済み完成作品(セピアインク/ハーネミューレに雁皮)の比較

 

 

*おしまい*