③下絵の転写
版の下絵はアタリをつけるためのものと考えています。
細かい下絵をもういちど版上でなぞるのは あまりクリエイティブではありません。
なぞった作業の線が 活き活きとした魅力を失ってしまうことがあります。
なので描画しやすくアタリがつけば そのほうがずいぶん良いと思います
ここでは下絵をキッチリ書き込まない私のような人向けの転写方法になりますが、4つご紹介いたします。
方法1:版 カーボン紙 下絵、の順に重ねて下絵をなぞり、グランド上にカーボンを移す。下絵は完成後に反転します
方法2:版に下絵をのせてなぞり、筆跡をグランドに残す。
これも下絵は完成後に反転します
わたしはほぼ70%これでやっています。早いし楽ですょ
だいたいのアタリがつけばいいや、って時にはオススメです。
版のグランド上に 下絵とかなにかしら紙をあてて、その上から細いボールペンや丸先のニードルなんかで描くと、紙をはがすとグランドに紙の繊維跡がついてるんです。
転写…とはいわないかな??
学生の時、ものぐさして発見しましたカーボンいらずです
方法3:鉛筆で書いた下絵をグランド上に伏して、プレス機に通す。
これは下絵通りの向きに完成します
軽い圧でプレス機に通すと、紙にのった鉛筆の粒子がグランドに移って
あっというまに逆転写完了です。
大きい版などはこの方法が早いです
ただ、グランドの具合と プレス圧の具合が…ちょっと難しいです
失敗すると全然移らなかったり、、、それはまだよくて、下絵紙がグランドにくっついてはがれない…グランド引き直し&下絵がパーなんて悲惨なこともありました(-"-;A
圧力は弱め弱め、ちょっとずつ調節してください
方法4:ボールペンなどインクで書いた下絵をグランド上に伏して、プレス機に通す。
これも下絵通りの向きに完成します
これも ものぐさしてみつけた方法です。
何も書いていない部分は紙の繊維がけば立ち、
インクで書いた部分は紙の繊維がけば立たない、
これによってグランド上に模様が認識できるという方法です
鉛筆より細くて正確な線がわかるので好きです。
方眼やマス、ガイドとなる線などをボールペンで書いておいて
鉛筆で図柄のアタリを描きこんでプレス転写すると、
版上で自由に描く部分のバランスがとりやすくなります
【 腐蝕銅版画 制作工程 】