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蝶の雫

 

「蝶の雫」
Butterfly Drips

腐蝕銅レリーフ
150*200 mm


 蝶の幼虫は蛹の中で体をどろどろに溶解し、再構築する過程で成体のかたちになります。そして蛹から出ると、翅脈(しみゃく)を通して羽化液を翅の末端まで送り、大きく広げて飛び立っていくのです。本作品では、今まさに殻から抜け出て翅を広げようとする瞬間を描いています。湿った翅は重みで下にたわみ、これから広がるであろう翅と未来への期待を感じます。

 新たな門出を迎えた彼女がこの世を飛ぶために背負うのは6枚の翅。身に余るものを背負ってどこまで飛べるのか。どんな境地に辿り着くのか。あるがままの美しい姿に誇りを持ち、強く生きてほしいと願います。

 作中に登場する水は営みの象徴です。彼女の居た場所―蛹―から滴る水は瑞々しいエネルギーであり、居場所を離れて濡れた翅を外気に適応させる様は、個と社会との境界線のように感じられます。



胡蝶蘭:その特徴的な佇まいが凛とした生き様を連想させる優雅な花です。花言葉には「幸福が飛んでくる」という意味があり、これから今まさに飛び立とうとする彼女の門出に是非添えたい花でした。

 




〈腐蝕銅レリーフ〉

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